祖父が亡くなったのは小生が小学3年生の時だ。
病名は消化器系のがん。享年62歳。
しばらく入院していたんだが、亡くなる前に一度自宅に帰ってきていた。
祖父は大の釣り好きで小さい頃から僕も一緒によく釣りに出かけた。
祖父は僕との最後の思い出にと小生を釣りに誘った。でも体調が悪いのですぐ近くの川で釣りをした。釣果はさっぱり。あきらめて帰ろうとしたとき、河原に大きな水たまりが出来ているのを見つけた。多分数日前の大雨で増水して出来たのだろう。
その水たまりには、なんとたくさんのフナとコイが泳いでいた。大きな網を持っていたので、僕が網の方に魚を追い込み祖父が網ですくい上げる。
明るい日差しの午後、至福の時間だった。
数日後祖父は病院へと帰っていった。
帰ってまもなく具合が悪くなって僕も病院に行った。当時は十分な緩和治療もなくてとても見ていられなかった。
うわごとで僕の名前を呼んで、釣り針から魚を外す動作やえさをつける動作を繰り返している。
痛みがひどくなりベッドに縛り付けられ手足を押さえつけられる。
僕は途中で部屋を出された。
祖父は数時間後この世を去った。
祖父の死とともに僕の人生で一番楽しい時代は終わった。
でも祖父との思いではいつまでも僕の胸の中にある。
あの暖かな春の午後、河原での至福の時を忘れない。
僕は信じている
会いたい人とはいつかまたきっと会うことが出来る。
僕は今もそう信じている。

↑画像は堀川水族館さんから拝借しました。
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