緩和医療とステロイド 2015年6月1日
【全身倦怠感の定義とか】
全身倦怠感とは,「労作に比例しない,日常生活の妨げとなるほどの,つらく持続する主観的な感覚で,がんやがん治療に関連した身体的,精神的,認知的な倦怠感または消耗感」と,定義されている(NCCNガイドライン)。倦怠感は,がん患者で高率に出現する症状であり,がん患者の78〜96%に認められ2),患者のQOLを著しく損ねるものである。
【ステロイド効能】
予後が数ヶ月になると全身倦怠感によりQOLが低下し始める。モルヒネは疼痛緩和、呼吸困難緩和の働きがあるが、全身倦怠感の改善は難しい。
全身倦怠感は様々な症状が重なった結果だ。
ステロイドは以下のような諸症状の緩和に寄与、結果として全身倦怠感を緩和する。。
食欲不振、吐き気・嘔吐、脳圧亢進、脊髄神経圧迫、骨転移痛、腫瘍熱、腸閉塞、がん性リンパ管症、がん性胸膜炎・胸水、がん性腹膜炎・腹水。
ステロイドの詳しい作用機序については未だよくわかっていない。
【ステロイドの種類】
予後数ヶ月のQOL改善に用いられるステロイドには、ブレドニゾロン、ベタメタゾン(リンデロン)、デキサメタゾン(デカドロン)などがある。
強さの順は、ブレドニン<<デキサメタゾン=ベタメタゾン。
長期投与の場合は副作用の比較的軽いブレドニゾロンを10mg/日から始めるのがよい。
【ステロイドの副作用】
感染症、高血糖、ミオパチー(筋肉(骨格筋)が萎縮することによっておこる筋力の低下)、消化性潰瘍(特にNSAIDsと併用した場合に多い。予防としてはPPIの投与)、口腔カンジダ症などが挙げられるが、数ヶ月間内の適切な使用では口腔カンジダ症以外は滅多に見られない。口腔カンジダ症のばあいは、ファギソンシロップによるうがいによって改善する。
【その他注意事項】
ステロイドによって予後二週間くらいまではQOLの低下を抑えることが出来るが、予後二週間を切ると急速にステロイドの効果が無くなってくる。
http://parvicelllungcancer.seesaa.net/article/419615349.htmlデキサメタゾン、ベタメタゾンの投与量は症状を見ながら、
内服1〜8mg/日、分1朝、もしくは分2朝昼。
【ステロイド薬】
免疫抑制や抗炎症作用を持ち、アレルギー性皮膚炎や気管支ぜんそく、関節リウマチ、各種臓器の炎症など多種多様な病気の治療に使われる。個人差はあるが特に長期投与では、感染症にかかりやすくなり、血糖値の上昇や骨粗しょう症の悪化、消化器の潰瘍などの副作用も。利点と欠点を見極めて使うことが大切。

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posted by SR400 at 14:15|
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