反物質とは?
反物質(はんぶっしつ、英: antimatter)は、質量とスピンが全く同じで、構成する素粒子の電荷などが全く逆の性質を持つ反粒子によって組成される物質です。
例えば、電子はマイナスの電荷を持つが、反電子(陽電子)はプラスの電荷を持ちます。中性子と反中性子は電荷を持たないが、中性子はクォーク(二個のダウンクォーク(-1/3)と一個のアップクオーク(+2/3))、反中性子は反クォーク(二個の反ダウンクォーク(+1/3)と一個の反アップクォーク(-2/3))から構成されています。
陽子は二個のアップクォーク(+2/3)と一個のダウンクォーク(-1/3)から、反陽子は二個の反アップクォーク(-2/3)と一個の反ダウンクォーク(+1/3)から構成されます。
反陽子の荷電は、2*(-2/3)+1*(+1/3)= -1 となります。
図 物質と反物質

反物質の一覧を下に示します。
図

なお反物質間に働く4つの力は、物質間に働く4つの力と同じです。
反物質発見の歴史
1928年、物理学者のポール・ディラックはディラック方程式の解から反物質の存在を予言。
1932年、宇宙線の研究をしていた物理学者のアンダーソンにより正の電荷を持つ電子、陽電子が発見される。1955年、物理学者のセグレとチェンバレンにより、前年に建設された粒子加速器ベヴァトロンを用いて反陽子を発見。この実験では反中性子も発見されている。
1995年、欧州原子核研究機構(CERN)とドイツの研究チームにおいて、陽電子と反陽子からなる「反水素」が生成された事が分かり、翌年1月に発表。
2010年11月 欧州原子核研究機構で日本を含む国際共同研究実験グループにおいて、反水素原子38個を磁気瓶に閉じ込めることに成功(反水素原子の存続時間は0.2秒間)[2]。
2011年4月、米ブルックヘブン研究所(BNL)の実験により、これまでで最も重い反物質である「反ヘリウム原子核」が合成された。
2011年6月、欧州原子核研究機構で日本の理化学研究所や東京大学含む日米欧などの国際共同研究実験グループにおいて、反水素原子を1000秒以上閉じ込めることに7回成功。装置は前回と同様の物を用いた。
対消滅
物質と反物質が衝突すると対消滅を起こし、質量がエネルギーとなって放出されます。これは反応前の物質・反物質そのものが完全になくなってしまい、消滅したそれらの質量に相当するエネルギーがそこに残るということです。
反物質1グラムは物質1グラムとともに消滅し、180*10の12乗ジュールのエネルギーを発生します。これは、5000メガワット時に相当するから、都市の1カ月間の電力使用量くらいに相当します。
対生成
対消滅とは反対に、真空の1点に 光子や、Z粒子、グルーオンなどからなる高いエネルギーを集中させれば、そこから粒子と反粒子の対を取り出すことができます。これを対生成と呼んでいます。
真空とは
“真空”は“無”ではありません。ミクロの世界では量子論的効果により“存在という概念”自体が揺らいでいるため、無数の物質と反物質が生成と消滅を繰り返しています。ただこれらのプロセスがプランク時間(5.39106×10のー44乗 秒)、プランク長(1.616199×10の-35乗m)の範囲内で起きているため、通常はマクロの世界からは“観測されない”だけなのです。
自然界での反物質の消滅(反物質はどこに消えた)
物質と反物質は鏡のように性質が逆なだけでその寿命を全く同じだと考えられてきた(CP対称性)が、1964年にCP対称性の破れが発見され「反物質の寿命が物質よりもわずかに短かい」事が分かりました。これにより、初期宇宙の混沌の一瞬の間の「物質と反物質の対生成と対消滅」において、ほんのわずかだが反物質だけが消滅し物質だけが取り残されるケースがあり、無限に近いほどの回数の生成・消滅の果てに、「やがて宇宙は物質だけで構成されるようになった」と説明されています。
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