2014年09月21日

呼吸困難とモルヒネとセデーション(鎮静) 2014年9月21日

呼吸困難とモルヒネとセデーション(鎮静)

これもあちこちに記載しゴチャゴチャしていたので、まとめてみた(あまりまとまってないけど)。

【呼吸困難】

がん患者の呼吸器症状の緩和に関するガイドライン(2011年版)
http://www.jspm.ne.jp/guidelines/respira/2011/index.php
https://www.jspm.ne.jp/guidelines/respira/2011/pdf/respira01.pdf


がん緩和ケアに関するマニュアル | ホスピス財団(公益財団法人 日本ホスピス・緩和ケア研究振興財団)のウェブサイトの■第5章■ 傷み以外の身体的諸症状のマネジメント2.呼吸器の症状 1)呼吸困難
http://www.hospat.org/practice_manual-5-2.html
より一部抜粋

■治 療
原因の治療:
 呼吸困難への対応では、まず原因が取り除けるかどうか検討する。例えば、腫瘍による気管支閉塞ならば、放射線照射による閉塞解除を検討する。次に、痛みのマネジメントが重要である。痛みは呼吸困難を増強させて不安の原因ともなり、不安は呼吸困難を増強させる。

薬以外の治療法:
 「適切な説明」と「不安の除去」が重要である。
 呼吸困難それ自体は危険でないと患者に説明し、それによって不安を緩和する。呼吸困難は、閉じこめられているという感覚により増悪する。したがって、ベッドの周りを広くし、窓を開けたり、扇風機を使用して空気の流れをつくる。口すぼめ呼吸など簡単な呼吸理学療法を教えることでも不安は減少する。

薬による治療法:
MST(モルヒネ+ステロイド+トランキライザー)という組み合わせが有効である。

モルヒネ
 モルヒネは呼吸中枢の反応を鈍くし、呼吸数を減らす結果、呼吸困難を緩和する。塩酸モルヒネ3〜5mg/回 4〜6時間ごとの経口投与を開始し、呼吸困難が緩和する量へと増量調整する。増量は20〜30%の割合で行う。痛みのマネジメントに用いるモルヒネ量の1/2量で効果が得られることが多い。痛みのマネジメントにモルヒネを投与中の場合は30〜50%の割合で増量する。

コルチコステロイド
 腫瘍による気管支の圧迫やがん性リンパ管症などの場合にコルチコステロイドが有効なことがある。デキサメタゾンまたはベタメタゾン4〜8mg/日、あるいはプレドニゾロン30〜60mg/日を経口投与、静脈内注射または皮下注射する。

抗不安薬
 ベンゾジアゼピン系の薬は、呼吸困難に伴う不安を緩和する。アルプラゾラム0.4mg、エチゾラム0.5mg、ロラゼパム0.5mg、あるいはジアゼパム2〜5mgの就寝前1回投与で開始する。これらに効果があると、昼間の使用も患者に歓迎される。


【モルヒネを鎮静目的で使ってはならない】
二件抜粋引用させていただく

一件目
なぜ、モルヒネで鎮静をかけてはいけないのか・・
http://blog.goo.ne.jp/e3693/e/ea9fa5ad166d542b5efd2faa341802c1

オピオイドの理想的な至適量とは眠気がなく痛みもない量です。(あくまでも理想です)

モルヒネで鎮静をかける(眠る)とはそれ以上の多い量、つまり過量にして鎮静を得る状態となります。

意図的にモルヒネで眠りを作ろうとするということは過量にして副作用領域にもっていくことを意味することになり
安全域を超えることになります。

ですから、鎮静をかけるなら鎮静剤ーつまり良い眠りを作る目的の薬剤で安全に目的を達成すべきだと思います。


二件目
鎮静(2)モルヒネでも取り除けない最終末期の苦痛に
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=100686

 しかし肺がんは徐々に進行します。次第に呼吸困難(息苦しさ)は強くなっていきました。呼吸困難に対しては、モルヒネがある程度効きます。
 しかし、これまで同様な事例に、教えられた通りモルヒネを使用しても、なかなか肺がんの患者さんの「余命数日の」息苦しさを取り除くのは難しいことが多かったのです。
 この例でも、いざ余命数日と推測される状態に至った際の呼吸困難は激しく、今までの私では患者さんの苦痛を取り除けない悔しさを覚えることになるだろうと予想されました。
 しかしその時、私は新しい知識を有していました。
 それは「鎮静」の知識でした。

鎮静とは何か。鎮静とは「苦痛緩和を目的として患者さんの意識を低下させる薬物を投与すること」を言います。その薬剤はモルヒネなどの医療用麻薬ではなく、鎮静薬です。 鎮静薬とは、例えば胃カメラを眠ってする際に使用されるものと同じものです。睡眠薬と同じ成分の点滴薬とも言えます。

 そして、ここがとても重要なところですが、この鎮静は「うとうとと眠れるようにするもの」であり、命を縮める可能性は極めて低いと言われていますし、実際にそうです。この説明はしばしば誤って、「呼吸が抑制されて死に至る可能性が十分あります」と誇張されて行われることが多く、誤解を広めてしまっています。残念なことです。

 また、いまだによく間違えられることとして、モルヒネは鎮静目的では使いません。実際に日本緩和医療学会が出している鎮静のガイドラインでも推奨されない由が明記されています。

 なぜか。それはモルヒネがしばしば一般の方に「ボーっとする」「わけをわからなくさせる」と誤解されているのとは異なって、本来「意識を低下させる作用は強くない」からです。従ってモルヒネなどの医療用麻薬を使って鎮静するのは不十分であり、だから「推奨されない」となっているのです。

以上抜粋終わり。

確かに以下のガイドラインにオピオイドが推奨されないとの記述がある。

苦痛緩和のための鎮静に関するガイドライン(2005年版)
http://www.jspm.ne.jp/guidelines/sedation/sedation01.pdf
苦痛緩和のための鎮静に関するガイドライン(2010年版)
http://www.jspm.ne.jp/guidelines/sedation/2010/index.php

ガイドライン該当部分抜粋

オピオイド(モルヒネ等)は意識の低下をもたらす作用が弱く、かつ、蓄積により神経過敏性を生じうるため、持続的深い鎮静に用いる主たる薬剤としては推奨しない。ただし、疼痛、呼吸困難を緩和するためには有効であるため併用してよい。

抜粋終わり。

モルヒネで眠るよう死んでいったという記述やモルヒネの投与量を増やして意識を落とすという記述が目についたし、小生自身もそうなんだと思っていたので以上調べてみた。


【セデーション(鎮静)】

苦痛緩和のための鎮静に関するガイドライン(2010年版)
http://www.jspm.ne.jp/guidelines/sedation/2010/index.php

かなり分かりづらい

下記は京都民医連中央病院 倫理委員会が作成したもの。ぐっと分かりやすくなっている。

http://kyoto-min-iren-c-hp.jp/rinri-kenkyu/rinri/gijiroku/15gijiroku_sed.html#iii_d3

鎮静剤について一部抜粋
鎮静薬を選択する
第一選択薬:ミダゾラム、第二選択薬:フルニトラゼパム
セデーションに用いる薬剤は、ミダゾラム(ドルミカム)を第一選択薬とする。本薬剤を第一選択薬とするのは、投与量の調節が容易であること、半減期が短いこと、万一過量投与になった場合でも拮抗薬が存在すること、といった理由による。
フルニトラゼパム(ロヒプノール)を用いてもよいが、本薬剤は半減期が長いため、薬効の調整がミダゾラムに比して困難となりやすい。そこでミダゾラムが有効でない場合に用いる第二選択薬と位置づける。


【セデーション実施率】

苦痛緩和のための鎮静に関するガイドライン(2010年版)
http://www.jspm.ne.jp/guidelines/sedation/2010/index.php

http://www.jspm.ne.jp/guidelines/sedation/2010/chapter06/06_01_01.php
より抜粋

6章 文献的検討の要約
1 医学的検討
1 頻度
1. 鎮静方法の選択
 鎮静の施行頻度を調べた多施設の前向き研究は存在しない。表4に報告されている鎮静の施行率を示す(Cameron 2004;Chiu 2001;Fainsinger 1991, 1998a, 2000a, 2000b;池永 1995;Kohara 2005;近藤 2002;Morita 1996d;Stone 1997b;Ventafridda 1990)。
深い持続的鎮静の頻度は,6.7%から68%まで大きな差がある。これらの研究における累積患者数から計算した深い持続的鎮静の施行率は28%(520/1,841例),および,各報告の鎮静率の中央値は21%であった。

 イタリアの13の在宅ホスピスにおける研究では,深い持続的鎮静の施行率は0〜60%(中央値=36%)であった(Peruselli 1999)。

わが国の緩和ケア病棟81施設を対象とした調査では,身体的苦痛に対する深い持続的鎮静の施行率は,33施設(41%)で10%未満,43施設(53%)で10〜50%,5施設(6.2%)で50%以上であった(Morita 2004a)。

わが国のがん治療病棟と緩和ケア病棟の看護師を対象とした調査では,深い持続的鎮静を必要とした患者の累積割合は31%(3万5,214/11万1,990例)であった(Morita 2004b)。
 以上から判断して,深い持続的鎮静の施行頻度は,全患者の20〜35%と見積もられる。

 なお,わが国の緩和ケア病棟の医師105名における深い持続的鎮静の頻度と影響要因についての質問紙調査がある(Morita 2004a)。
その結果によると,身体的苦痛に対する深い持続的鎮静の施行頻度は,10%以下が41%,10〜50%が53%,50%以上が6.2%であった。
また,心理実存的苦痛に対する深い持続的鎮静の頻度は,0%が64%,0.5〜5%が32%,10%以上が3.6%であった。

深い持続的鎮静は,@はっきりとした意識が良い死には必要であるとは考えていない,A鎮静はしばしば生命予後を短縮させるとは考えていない,Bがん・緩和ケアの専門看護師とともに働いている,C治療を実際に試さずとも緩和困難として判断する,D間欠的鎮静よりも持続的鎮静を第一に行う,Eフェノバルビタールをよく使用する,と回答した医師ほど施行頻度が高かった。


(雑感)
鎮静の主要な対象症状は,せん妄,呼吸困難,疼痛である。(2 対象症状より)
終末期肺がん患者の70%が呼吸困難となっている。終末期がん全般では深い持続的鎮静の施行率は20〜35%と見積もられているが、終末期肺がん患者の場合は呼吸困難度合いが他のがんより高いので、鎮静施行率はもっと高いと思われる。


【モルヒネとセデーション(鎮静)についての資料】
読売新聞,yomiDr.,ヨミドクターから
「専門家に聞きたい!終末期と緩和ケアの本当の話」
鎮静(1)死の苦しみに対し最期に出来ること
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=100247
鎮静(2)モルヒネでも取り除けない最終末期の苦痛に
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=100686
鎮静(3)呼べば起きる程度の「浅い」状態も
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=101058

2014年の掲載なので新しいです。
執筆者は
大津 秀一(おおつ しゅういち)氏で、緩和医療医です。
現在、東邦大学医療センター大森病院緩和ケアセンター長。
本も何冊か出版していて小生も一冊購入しています。
大津先生のウェブサイトは、
http://blog.livedoor.jp/nihonkanwa/home.html
ブログは、
http://ameblo.jp/setakan/
です。

鎮静(3)呼べば起きる程度の「浅い」状態も
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=101058
より一部抜粋

ご本人からもご家族からも「眠ること」の承諾を得た後、私はミダゾラムという鎮静薬を使って、その60歳代女性の終末期肺がん患者さんに鎮静を行いました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

まさに鎮静は、(1)耐え難い苦痛があり、(2)他の症状緩和策が無効で、(2)余命が短く(一般にあと数日と判断される)、(4)ご本人とご家族の希望がある時、苦しむ患者さんにとって大きな力となる処置なのです。

 この(1)〜(4)が正しい鎮静のために必要な要素となっています。

 とりわけ重要なのは、「必要十分な情報を知らされたうえでの明確な意思表示がある」ことです。

 一方でデメリットもあります。それは鎮静施行以後のご家族などとのコミュニケーションが、眠るために難しくなることです。もっとも鎮静を行うくらい苦しい状況ですから鎮静を行うのであって、起きていてもコミュニケーションが円滑にできるかというと難しいことも多いでしょう。

 しかし、なるべくコミュニケーションができつつ苦痛を取ることを目指して、最近の鎮静は「間欠的に」(必要な時だけに)あるいは「浅く」(呼べば起きるくらいの状態を目指す)行うことから始めることとされています。持続的鎮静だけの施設がまだあることは少々残念なことで、より正しい鎮静の知識の普及が望まれています。

 詳しい鎮静法は緩和医療学会が出している『苦痛緩和のための鎮静に関するガイドライン』や拙著『間違いだらけの緩和薬選び』をご参照頂ければ幸いです。

以上引用終わり

DSC04853.JPG

https://www.youtube.com/watch?v=XFarzFi7jJ8

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posted by SR400 at 09:15| Comment(0) | 終末期医療(ターミナルケア) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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